【本の感想】伊賀泰代さんの「生産性」|生産性向上のヒント

本の感想

「生産性」という本を読みました。
タイトルの通り、生産性について書かれた本です。
良い本だったので印象に残った点、勉強になった点をまとめたいと思います。

本の概要

この本の著書は伊賀泰代さん。
経営コンサルタント・マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て独立したコンサルタントで、クックパッドの取締役も務められています。
(有名ブロガーちきりんさんの中の人ではないかとの噂もあります。)

目次
第1章 生産性向上のための四つのアプローチ
第2章 ビジネスイネベーションに不可欠な生産性の意識
第3章 量から質への評価へ
第4章 トップパフォーマーの潜在力を引き出す
第5章 人材を諦めない組織へ
第6章 管理職の使命はチームの生産性向上
第7章 業務の生産性向上に直結する研修
第8章 マッキンゼー流 資料の作り方
第9章 マッキンゼー流 会議の進め方
終章 マクロな視点から

出版年 2016年11月25日
ページ数 236ページ

印象的な内容について

生産性の定義と4つのアプローチ

生産性は「成果物」と、その成果物を獲得するために「投入された資源量」の比率として計算されます。「アウトプット」÷「インプット」といってもよいでしょう。

言われてみれば当たり前のように感じますが、その意味は深いです。
成果主義が根付いていない日本企業では成果物の定義が難しい場合もあり、生産性を計測することも難しいことも少なくありません。

また、著者は生産性を向上するためには以下の4つのアプローチがあると言っています。

  1. 改善によるインプットの削減
  2. 革新によるインプットの削減
  3. 改善によるアウトプットの増加
  4. 革新によるアウトプットの増加

日本企業は生産性の向上というと、1にばかり着目しています。
「業務の効率化」という言葉もよく聞きますが、これは改善によるインプット削減する行為であり、生産性向上の方法の一つにすぎないことがわかります。

成長について

そもそも「成長する」とは「生産性が上がる」ということに他なりません。

「成長する」とは「生産性が上がること」
逆にいえば、生産性が上がっていないのであれば成長していないということ。
これは物凄くシビアな意見です。(耳が痛い…。)

どれだけ知識を得ても、行動に移していないのでは成長とは言えません。
行動して生産性向上に寄与して初めて成長しているといえるということです。

ブランク資料の作成

ここで最も重要なことは「仕事に取りかかる前にアウトプットイメージをもつ」ということです。
アウトプットイメージ=仕事のできあがりイメージを最初にもつというのは、「ゴールが何であるかを、スタート時点で意識しておく」ということです。

情報収集前に具体的なアウトプットイメージをもつために作られるのが、ブランク資料です。
一般には聞き慣れない言葉かもしれませんが、コンサルティングファームではブランク資料を作らずに情報収集を始めることは不可能(もしくは御法度)とされています。

私は「ブランク資料」という言葉はこの本で初めて知りました。

ブランク資料とは、一旦、具体的な情報部分は空(ブランク)で作成されたプレゼンテーションの設計図のことです。これをもとに、今回の資料で何が必要な情報かを、事前に上司や取引先と確認をします。

私は、資料集めばかりに時間を費やして、資料の完成に時間がかかってしまった経験はよくあります。
これはすぐにでも自分の仕事に活かすことのできる内容だと思いました。

まとめ

「生産性」を読めば、マッキンゼーを始めとする欧米の企業が、どれほど真摯な姿勢で生産性向上に取り組んでいるかの一端がわかります。

生産性というテーマについて、観念的なことから、人材の評価・育成方法、具体的なスキルまで書かれている良い本だと思います。

この本は以下のような人にオススメです。

  • 自分の仕事の効率を上げてたいと考えている人
  • 職場の生産性を向上させたいと考えているチームリーダー
  • 生産性を向上させるために投資を考えている人

もしもご興味が湧いたのであればぜひ読んでください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました